スポンサーサイト
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[YELLO-BOLE Imperial] - 3026
♪オレはフランス生れ米国育ち古そなヤツラはだいたい生味♪トでも云う rhyme が聞こえて来そうなパネルビリヤード。良くワカらないクセに記号化された簡易なレッテルでワカったフリして安心する様に、何でも生味で片付けていた自分に、本当の生味を教えてくれた貴重な一本。パネルとして随所に直線的なカットが施されているのに、不思議な丸みも感じさせる。
シャンクロゴの位置はクローバーの左上部(ラッカーのヒビ割れの様に見えるのはシェラックの筆跡)。底部には "U" の刻印があり、これは一説にはグレードとも専属作家のイニシャルとも云われているがハてサて。
Y-B の四桁の内下二桁はシェイプナンバーで、それはまた KAYWOODIE と共通である、とも云われるが、全然 full size billard ではナいのが悩ましい。厳密にはボウル部が大四小四の八角、シャンクからステムにかけては六角、ト云う変則パネル。
メタルテノンを持つステムのインレイはサークルでなくドット。リップ開口部はちょっと小さくて残念な感じに切られている。
メタルテノンに装着されたショベルスティンガは、使用時は煙を冷却し使用後はリーマとしても使えるので一挙両得ト当時評判だったかどうかは知らないが、かなり特殊な形状ではある。しかしなんでワザワザアーチ状に削ってそこを潜らせるんだろうか。リーマとして使った際に出る削りカスがテノンに入り込むのを防ぐ為だろうか。
後年のモノよりもネジ山のスパイクは高いのも特徴かな(ちなみにハナからメタルテノンのが古いト決めツけているがその根拠は浅い)。だいたいの位置関係は画像の通りで、ショベルの先端が丁度火皿の中心に来る様な長さになっていて、火皿最下部には先端が収まるシロが取られている。
前述の通り、ヘタすると近代の作家モノよりも前衛的なカットなのに、不思議な落ち着きト云うか、滲み出る「デキアガってる」感ト云うか、有史以来ずっとその元型を留めている鋏の様な、機能美にも近い美しいシェイプも素晴しい。煙草とウマくハマれば、ハッキりと全ての要素が野放図に展開されしかし何故かそのじゃじゃ馬っぷりが心地良かったり、逆に同じ煙草でも全然アワない場合は、薄い上のトーンと芯の無さと後味の雑な下に戸惑う、「生味」とはそもそもそう云う非常に危険なモノである、ト云うコンセンサスが未だ各界隈で取れていない現状況の中で、この実直な「生味らしさ」は貴重なサンプルだと思う。
<<Loewe [PASTIME] - (...) | HOME | [ROYAL COMOYS] - 156>>
COMMENT
COMMENT FORM
TRACK BACK
| HOME |